文献詳細
連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第15回
文献概要
疾患の概要
多発消失性白点症候群(multiple evanescent white dot syndrome:MEWDS)は,1984年Jampolら1)によって報告された眼底に一過性の白点が多発する原因不明の網膜外層疾患である。20〜40歳の近視眼の女性に好発し(男女比1:4),ほとんどが片眼性であるが,両眼に発症することもある。自覚症状は,片眼の急激な霧視,光視症,マリオット盲点拡大,視野欠損などである。前駆症状として感冒症状を認めることがあるため,ウイルスによる感染が示唆されている。
眼底所見は,後極部から中間周辺部にかけて約100〜200μmの小白点が,網膜色素上皮から網膜深層に散在する。白点は症状の改善とともに1〜2か月で自然消失する。黄斑部には顆粒状の病巣を伴うことがあり,中心視力低下の原因となるが,この変化は可逆的であり,予後は比較的良好である。光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)では,ellipsoid zoneが欠損するなどで不明瞭となる。眼底自発蛍光では,過蛍光斑がみられる。OCTや自発蛍光の所見は,白点の部位によくみられるが,白点がない部分にも観察される。
多発消失性白点症候群(multiple evanescent white dot syndrome:MEWDS)は,1984年Jampolら1)によって報告された眼底に一過性の白点が多発する原因不明の網膜外層疾患である。20〜40歳の近視眼の女性に好発し(男女比1:4),ほとんどが片眼性であるが,両眼に発症することもある。自覚症状は,片眼の急激な霧視,光視症,マリオット盲点拡大,視野欠損などである。前駆症状として感冒症状を認めることがあるため,ウイルスによる感染が示唆されている。
眼底所見は,後極部から中間周辺部にかけて約100〜200μmの小白点が,網膜色素上皮から網膜深層に散在する。白点は症状の改善とともに1〜2か月で自然消失する。黄斑部には顆粒状の病巣を伴うことがあり,中心視力低下の原因となるが,この変化は可逆的であり,予後は比較的良好である。光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)では,ellipsoid zoneが欠損するなどで不明瞭となる。眼底自発蛍光では,過蛍光斑がみられる。OCTや自発蛍光の所見は,白点の部位によくみられるが,白点がない部分にも観察される。
参考文献
1)Jampol LM, Sieving PA, Pugh D et al:Multiple evanescent white dot syndrome. Ⅰ. Clinical findings. Arch Ophthalmol 102:671-674, 1984
2)Sieving PA, Fishman GA, Jampol LM et al:Multiple evanescent white dot syndrome. Ⅱ. Electrophysiology of the photoreceptors during retinal pigment epithelial disease. Arch Ophthalmol 102:675-679, 1984
3)Ie D, Glaser BM, Murphy RP et al:Indocyanine green angiography in multiple evanescent white-dot syndrome. Am J Ophthalmol 117:7-12, 1994
4)Fine HF, Spaide RF, et al:Acute zona occult outer retinopathy in patients with multiple evanescent white-dot syndrome. Arch Ophthamol 127:66-70, 2009
5)Gass JD, Agarwal A, Scott IU:Acute zonal occult outer retinopathy:a long-term follow-up study. Am J Ophthalmol 134:329-339, 2002
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