文献詳細
臨床報告
ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩(ザラカム®配合点眼液)の使用実態下における安全性と有効性—長期使用に関する特定使用成績調査最終解析結果
著者: 杉本奈扶美1 森政美香2 小松原綾3 堀田真一3 遠藤穣4
所属機関: 1ファイザー株式会社 エッセンシャルヘルス事業部門 メディカルアフェアーズ統括部 2ファイザー株式会社 医薬開発部門 市販後調査企画マネジメント部 3ファイザー株式会社 医薬開発部門 クリニカルインフォマティクス&イノベーション部 4ファイザー株式会社 医薬開発部門 臨床統計部
ページ範囲:P.357 - P.369
文献概要
対象と方法:本剤が投与された緑内障および高眼圧症患者を対象に,観察期間52週以上として特定使用成績調査を実施した。安全性は主に副作用,有効性は臨床効果の有効率と眼圧の推移により評価した。
結果:3年7か月の調査期間中に105施設から収集した618例を安全性および有効性解析対象集団とした。内訳は男性289例,女性329例,平均年齢は67.2±12.8歳であった。診断名は緑内障が593例(96.0%)であり,うち狭義の原発開放隅角緑内障(278例)と正常眼圧緑内障(244例)が大部分を占めた。514例(83.2%)が緑内障・高眼圧症に関する薬物前治療を受けていた。投与開始前の平均眼圧は17.04±4.97mmHgであった。本剤投与期間は,52週以下が156例,52〜104週が141例,104週超が321例であった。副作用は73例(11.8%)に発現し,内訳は眼刺激22例,点状角膜炎10例,睫毛の成長9例,角膜障害7例などであった。担当医師の判定による全体の有効率は82.8%で,平均眼圧は有意に下降した(本剤投与4週後にp<0.01)。
結論:特定使用成績調査の結果,本剤の長期使用実態下における安全性・有効性が示された。
参考文献
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