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特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
内視鏡下副鼻腔手術により視力改善を認めた鼻性視神経炎の1例
著者: 倉持雄一1 上本理世1 脇屋匡樹1 野村直子1 飯島康仁1 壺内鉄郎1 水木信久1
所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.421 - P.425
文献購入ページに移動症例:6歳女児が,4日前からの左眼痛,圧痛,眼球運動に伴う疼痛,左眼視力障害で紹介受診した。2年前から慢性副鼻腔炎として加療中であった。
所見と経過:矯正視力は右1.5,左0.03で,左眼に乳頭の発赤腫脹があった。左眼に中心暗点と鼻側の視野欠損があった。MRIで左側の蝶形骨洞と後篩骨洞に粘膜の肥厚があった。副鼻腔炎による鼻性視神経炎と診断し,内視鏡による副鼻腔手術を行い,蝶形骨洞と後篩骨洞を開通させ,プレドニゾロンを全身投与した。視力は1.5に改善し,眼底所見は正常化し,視野欠損は消失した。
結論:慢性副鼻腔炎によると推定される視神経炎に,副鼻腔炎手術が奏効した。
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