文献詳細
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文献概要
麦粒腫の患者を見なくなりました。原因は,中耳炎や慢性副鼻腔炎,すなわち蓄膿がなくなったのと同じではと思われます。すなわち,抗生物質のお蔭ではなく,子供たちの栄養状態が良くなったことがその背景にあるようです。
疾患名としての「麦粒腫」は,200年前に造語されました。プレンキの『眼科書』のオランダ語訳が日本に到来し,これを杉田玄白の子である杉田立卿が『眼科新書』として翻訳したときに,hordeolumをこう命名したからです。オオムギの学名がHordeum vulgare なので,hordeolumは「小さな麦粒」になります。もちろん立卿がラテン語を知っていた筈はないのですが,プレンキの本にはオランダ語も併記してありました。Gerstengraenがそれで,ドイツ語のGerstenkornに相当します。Gersteはオオムギ,graenは英語のgrainのことです。
疾患名としての「麦粒腫」は,200年前に造語されました。プレンキの『眼科書』のオランダ語訳が日本に到来し,これを杉田玄白の子である杉田立卿が『眼科新書』として翻訳したときに,hordeolumをこう命名したからです。オオムギの学名が
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