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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻4号

2017年04月発行

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ことば・ことば・ことば 魚の目

ページ範囲:P.508 - P.508

文献概要

 麦粒腫の患者を見なくなりました。原因は,中耳炎や慢性副鼻腔炎,すなわち蓄膿がなくなったのと同じではと思われます。すなわち,抗生物質のお蔭ではなく,子供たちの栄養状態が良くなったことがその背景にあるようです。

 疾患名としての「麦粒腫」は,200年前に造語されました。プレンキの『眼科書』のオランダ語訳が日本に到来し,これを杉田玄白の子である杉田立卿が『眼科新書』として翻訳したときに,hordeolumをこう命名したからです。オオムギの学名がHordeum vulgareなので,hordeolumは「小さな麦粒」になります。もちろん立卿がラテン語を知っていた筈はないのですが,プレンキの本にはオランダ語も併記してありました。Gerstengraenがそれで,ドイツ語のGerstenkornに相当します。Gersteはオオムギ,graenは英語のgrainのことです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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