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連載 眼科図譜
術中Optical Coherence Tomography(RESCAN® 700)
著者: 江口洋1 日下俊次1 堀田芙美香1 福田昌彦2 下村嘉一2
所属機関: 1近畿大学医学部堺病院眼科 2近畿大学医学部眼科
ページ範囲:P.509 - P.513
文献購入ページに移動手術中に光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)を用いて眼組織の断層像を得ることは,外来検査でのOCTほど詳細で鮮明な像が得られない場合でも,術中の正確な状況判断の一助となる。手持ち型のOCT機器を手術室に持ち込み,第三者が断層像を撮影することも可能であるが,術者は手術操作を中断する必要があり,術野汚染の危険もある。第三者がタッチパネルモニターで操作するタイプのものは術野汚染の危険はないが,得られる断層像を確認するためには,術者はいったん鏡筒から視線を外さなければならない。
Carl Zeiss Meditec社のRESCAN® 700は,同社の手術用顕微鏡のLumera® 700に搭載されており,術者がフットスイッチを操作することで,手術操作を中断することなく断層像が得られるシステムである。小さいものの接眼レンズにも断層像が映るため,術者は鏡筒から視線を外すことなく断層像を確認できる。同時に,第三者がタッチパネルモニターで操作できるようにもなっている。本稿では,筆者らの施設でRESCAN® 700で術中OCT像を得たいくつかの症例を紹介し,RESCAN® 700の可能性について言及する。
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