文献詳細
文献概要
連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第17回
サルコイドーシス
著者: 内村英子1
所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.669 - P.677
文献購入ページに移動疾患の概要
サルコイドーシスは眼,肺,心臓,皮膚などの多臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する疾患である。診断基準は2006年に日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会による診断基準が改訂されているが,2015年1月に新たな難病法が施行され,重症度分類と合わせて2015年1月に厚生労働省の診断基準も新しく確定された。診断は全身いずれかの臓器で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が陽性である組織診断群と,全身検査所見を2項目以上満たし,かつ2臓器以上に特徴的な臨床所見を認める臨床診断群に分けて診断される。眼病変の臨床所見は表1に示すように6項目あり,2項目以上有する場合にサルコイドーシスの眼病変が強く示唆される。
眼病変は両眼性に慢性に経過し,肉芽腫性の汎ぶどう膜炎を生じることが多い。眼における病態は肉芽腫性血管炎である。眼底では網膜血管周囲炎が主に静脈を主体に生じ,血管周囲には血管周囲結節を認めることもある。血管炎は眼底周辺部に生じることが多く,ろう様網脈絡膜滲出斑は特に眼底下方にみられることが多い。フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)では,主に静脈に生じる肉芽腫性の網膜血管周囲炎,血管閉塞,囊胞様黄斑浮腫,視神経炎などの病変の有無や,炎症の活動性の評価を行う。
サルコイドーシスは眼,肺,心臓,皮膚などの多臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する疾患である。診断基準は2006年に日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会による診断基準が改訂されているが,2015年1月に新たな難病法が施行され,重症度分類と合わせて2015年1月に厚生労働省の診断基準も新しく確定された。診断は全身いずれかの臓器で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が陽性である組織診断群と,全身検査所見を2項目以上満たし,かつ2臓器以上に特徴的な臨床所見を認める臨床診断群に分けて診断される。眼病変の臨床所見は表1に示すように6項目あり,2項目以上有する場合にサルコイドーシスの眼病変が強く示唆される。
眼病変は両眼性に慢性に経過し,肉芽腫性の汎ぶどう膜炎を生じることが多い。眼における病態は肉芽腫性血管炎である。眼底では網膜血管周囲炎が主に静脈を主体に生じ,血管周囲には血管周囲結節を認めることもある。血管炎は眼底周辺部に生じることが多く,ろう様網脈絡膜滲出斑は特に眼底下方にみられることが多い。フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)では,主に静脈に生じる肉芽腫性の網膜血管周囲炎,血管閉塞,囊胞様黄斑浮腫,視神経炎などの病変の有無や,炎症の活動性の評価を行う。
参考文献
1)四十坊典晴・山口哲生:わが国におけるサルコイドーシスの診断基準と重症度分類.日サ会誌35:3-8,2015
2)日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会・日本呼吸器学会・日本心臓病学会・他:サルコイドーシス治療に関する見解.日眼会誌107:113-121,2003
3)飛鳥田有里・石原麻美・中村 聡・他:眼サルコイドーシスの診断の手引きにおける眼所見項目の検討.日眼会誌110:391-397,2006
4)Papadia M, Herbort C, Mochizuki M:Diagnosis of Ocular Sarcoidosis. Ocul Immunol Inflamm 18:432-441, 2010
掲載誌情報