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特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
虹彩病変から初めて乳癌の全身転移が判明した1例
著者: 野田拓志1 木下悠十1 寺田佳子1 原和之1 梶原友紀子2 大谷彰一郎2
所属機関: 1広島市立広島市民病院眼科 2広島市立広島市民病院乳腺外科
ページ範囲:P.693 - P.696
文献購入ページに移動症例:29歳女性が左眼痛を主訴に受診した。1年前に乳癌に対し乳房部分切除術と腋窩リンパ節郭清術を施行され,術後補助療法中であった。局所再発や遠隔転移は認めていなかった。
所見:矯正視力は左右とも1.2,眼圧は右12mmHg,左13mmHgであった。左眼虹彩に直径1〜3mmの半透明で淡白色の結節を4個認めた。PET-CTで多発転移を認め,虹彩結節も転移と推測された。結節の増大に伴い視力低下と眼圧上昇をきたし,電子線総量30Gyを照射した。腫瘍は縮小し視力は改善したが,初診から7か月後に死亡した。
結論:結節性虹彩病変を認めた際は,全身既往を詳細に確認することが重要である。
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