文献詳細
文献概要
特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
眼軸長間隔の異なる個別A定数を用いた白内障術後屈折誤差の検討
著者: 都村豊弘1 野本浩之2 山地英孝3
所属機関: 1高松市民病院附属香川診療所眼科 2野本眼科 3白井病院
ページ範囲:P.727 - P.733
文献購入ページに移動対象と方法:対象は過去16か月間に白内障手術を施行した101例171眼。IOLはNS-60YG(NIDEK),角膜曲率半径はTMS-5(TOMEY),眼軸長測定はOA-1000(TOMEY)のContactモード,度数計算式はSRK/T式を用いた。A定数は過去4年間の白内障手術で得られた眼軸長0.5mm間隔(0.5mm群)と1.0mm間隔(1.0mm群)の個別A定数を用いて同じIOL度数における予測屈折値を算出した。術後1か月に自覚屈折値を算出し,予測屈折値と比較検討した。
結果:術後1か月における屈折値誤差平均値(絶対値平均値)は0.5mm群が0.12±0.43D(0.36±0.27D),1.0mm群は0.10±0.43D(0.35±0.27D)で,両平均値ともに両群間に有意差はなかった。予測屈折値との誤差が小さい症例数の割合は0.5mm群27.5%(47眼),1.0mm群48.5%(83眼),両群同値24.0%(41眼)であった。眼軸長別では短・標準眼軸眼では1.0mm群が,長眼軸眼では0.5mm群のほうが予測値に近かった。
結論:1.0mm間隔で算出した個別A定数は0.5mm間隔のそれと屈折誤差精度が同じであった。このことは本方法が精度を落とさずに算出や度数計算をより簡便にできることを示している。
参考文献
掲載誌情報