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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻5号

2017年05月発行

文献概要

特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著

眼軸長間隔の異なる個別A定数を用いた白内障術後屈折誤差の検討

著者: 都村豊弘1 野本浩之2 山地英孝3

所属機関: 1高松市民病院附属香川診療所眼科 2野本眼科 3白井病院

ページ範囲:P.727 - P.733

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要約 目的:シングルピース眼内レンズ(IOL)における眼軸長別のパーソナルA定数(個別A定数)の間隔を0.5mmから1.0mmに変更してIOL度数計算を行い,術後屈折誤差の精度を検討した報告。

対象と方法:対象は過去16か月間に白内障手術を施行した101例171眼。IOLはNS-60YG(NIDEK),角膜曲率半径はTMS-5(TOMEY),眼軸長測定はOA-1000(TOMEY)のContactモード,度数計算式はSRK/T式を用いた。A定数は過去4年間の白内障手術で得られた眼軸長0.5mm間隔(0.5mm群)と1.0mm間隔(1.0mm群)の個別A定数を用いて同じIOL度数における予測屈折値を算出した。術後1か月に自覚屈折値を算出し,予測屈折値と比較検討した。

結果:術後1か月における屈折値誤差平均値(絶対値平均値)は0.5mm群が0.12±0.43D(0.36±0.27D),1.0mm群は0.10±0.43D(0.35±0.27D)で,両平均値ともに両群間に有意差はなかった。予測屈折値との誤差が小さい症例数の割合は0.5mm群27.5%(47眼),1.0mm群48.5%(83眼),両群同値24.0%(41眼)であった。眼軸長別では短・標準眼軸眼では1.0mm群が,長眼軸眼では0.5mm群のほうが予測値に近かった。

結論:1.0mm間隔で算出した個別A定数は0.5mm間隔のそれと屈折誤差精度が同じであった。このことは本方法が精度を落とさずに算出や度数計算をより簡便にできることを示している。

参考文献

1)都村豊弘・野本浩之・山地英孝:シングルピース眼内レンズにおける個別A定数の検討.臨眼68:483-489,2014
2)都村豊弘・野本浩之・山地英孝:個別A定数を用いた白内障屈折誤差の検討.臨眼69:481-485,2015
3)須藤史子・島村恵美子・大鹿哲郎・他:新しい光干渉眼軸長測定装置OA-1000の測定精度と最適化A定数.IOL & RS 23:568-572,2009
4)北大路浩史・北大路勢津子:眼内レンズA定数に対するレンズ形状と度数の影響.眼科手術12:479-482,1999
5)禰津直久:個別A定数からみたSRK/T眼内レンズパワー計算式の検討.臨眼51:911-914,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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