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特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
眼精疲労に対するアデノシン三リン酸二ナトリウム(ATP-2Na)の臨床評価
著者: 中村葉1 伴由利子2 池田陽子3 東原尚代4 木下茂5
所属機関: 1四条烏丸眼科小室クリニック 2公立南丹病院眼科 3御池眼科池田クリニック 4ひがしはら内科眼科クリニック 5京都府立医科大学感覚器未来医療学
ページ範囲:P.741 - P.747
文献購入ページに移動対象と方法:眼精疲労を訴える患者40例を対象とした。男性5例,女性35例で,年齢は25〜87歳,平均62.5歳である。全例に,ATP-2Na 200〜300mg/日を3か月間投与し,投与前,1か月後,3か月後の眼精疲労とそれに伴う全身症状と精神症状を調査した。効果の判定には,visual analog scale(VAS)を用いた。
結果:1か月間服用を継続した31例では,眼精疲労,全身症状,精神症状とも有意に改善した(p<0.005)。さらに継続して3か月間服用した26例でも,同様に有意に改善した(p<0.005)。服用1か月時に来院した33例で,副作用として下痢2例,悪心1例があり,服用中止で副作用は消失した。
結論:ATP-2Naの内服で,比較的早期に眼精疲労が軽減し,これに伴う全身症状と精神症状にも効果のある可能性がある。
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