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特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
乳癌の脈絡膜転移による網膜全剝離1症例に対する硝子体手術の術後経過
著者: 宮保浩子1 森秀夫1 徳永伸也2
所属機関: 1大阪市立総合医療センター眼科 2大阪市立総合医療センター腫瘍内科
ページ範囲:P.761 - P.765
文献購入ページに移動症例:63歳女性が左眼の視力低下で紹介受診した。1年前から右乳房に腫瘤があり,皮膚が潰瘍化した。2か月前から左乳房に硬結が生じた。1か月前に乳腺外科を受診し,両側の進行性乳癌と診断され,全身転移を伴っていた。
所見と経過:矯正視力は右1.0,左0.07で,左眼に裂孔不明の胞状の網膜剝離があった。硝子体手術を行い,術中に脈絡膜腫瘍のあることが判明したので,シリコーンオイルタンポナーデを行い,術後にホルモン療法を実施した。4か月後に腫瘍性隆起は消失し,0.6の視力を得た。2年後の現在まで再発はない。
結論:転移性脈絡膜腫瘍に続発した網膜全剝離に対し硝子体手術を行い,良好な結果を得た。術前診断では,画像を含め慎重な検討が必要であった。
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