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高血圧治療薬内服により狭隅角を伴う急性近視をきたした1例
著者: 桑村里佳1 狩野廉1 桑山泰明1 岡崎訓子1
所属機関: 1福島アイクリニック
ページ範囲:P.833 - P.839
文献購入ページに移動症例:46歳の男性が遠見視力低下で受診した。2日前に高血圧治療薬としてインダパミド1mgを内服し,その夕方に視力低下を自覚した。
所見と経過:視力は右0.15(1.2×−2.25D()cyl−0.5D 80°),左0.15(1.2×−2.75D()cyl−0.75D 110°)であり,水晶体の前方移動と虹彩前攣による狭隅角があった。前房深度は右1.977mm,左1.946mmであった。超音波生体顕微鏡(UBM)で毛様体上腔に液貯留があった。インダパミドの内服を中止し,3日後に視力は右1.0(1.2×−0.5D),左1.0(1.2×−0.5D()cyl−0.5D 115°)になり,近視と遠見視力が改善した。内服中止から2週間後の前房深度は,右2.490mm,左2.470mmであり,UBMによる検査で毛様体上腔の液貯留は消失していた。
結論:インダパミドは非チアジド系の利尿降圧薬であり,その内服によって,急性近視と狭隅角が生じた。
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