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連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第18回
急性後部多発性斑状色素上皮症
著者: 荒川久弥1 丸子一朗1
所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.848 - P.855
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急性後部多発性斑状色素上皮症(acute posterior mutifocal placoid pigment epitheliopathy:APMPPE)は眼底後極部に網膜色素上皮レベルの黄白色斑状滲出斑が多発する疾患で,1968年にGass1)によって報告された。
10〜30歳代の比較的若年者に発症することが多く,性差はないとされている。通常両眼性であり,急激な視力低下や視野障害をきたす。視力予後は良好で通常1〜3か月程度で自然回復し,再発はほとんどない。原因は不明であるが,しばしば感冒様症状が先行することがあり,誘因として何らかのウイルス感染の可能性が指摘されている。典型例では急性期に1/4〜1/2乳頭径大の境界不鮮明な黄白色斑が眼底後極部から赤道部にかけて散在性に多発する。これらの病巣は2〜3週間で不明瞭になり,ほとんど瘢痕を残さずに消失するが,軽度の網膜色素上皮萎縮を残す場合もある。軽度のぶどう膜炎,乳頭炎,網膜血管炎,漿液性網膜剝離を伴うこともある。
急性後部多発性斑状色素上皮症(acute posterior mutifocal placoid pigment epitheliopathy:APMPPE)は眼底後極部に網膜色素上皮レベルの黄白色斑状滲出斑が多発する疾患で,1968年にGass1)によって報告された。
10〜30歳代の比較的若年者に発症することが多く,性差はないとされている。通常両眼性であり,急激な視力低下や視野障害をきたす。視力予後は良好で通常1〜3か月程度で自然回復し,再発はほとんどない。原因は不明であるが,しばしば感冒様症状が先行することがあり,誘因として何らかのウイルス感染の可能性が指摘されている。典型例では急性期に1/4〜1/2乳頭径大の境界不鮮明な黄白色斑が眼底後極部から赤道部にかけて散在性に多発する。これらの病巣は2〜3週間で不明瞭になり,ほとんど瘢痕を残さずに消失するが,軽度の網膜色素上皮萎縮を残す場合もある。軽度のぶどう膜炎,乳頭炎,網膜血管炎,漿液性網膜剝離を伴うこともある。
参考文献
1)Gass JDM:Acute posterior multifocal placoid pigment epitheliopathy. Arch Ophthalmol 80:177-185, 1968
2)Laatikainen L:Serpignous choroiditis. Br J Ophthalmol 58:777-83, 1974
3)Tso MO, Jampol LM:Pathophysiology of hypertensive retinopathy. Ophthalmology 89:1132-1145, 1982
4)Amalric P:Acute choroidal ischaemia. Trans Ophthalmol Soc UK 91:305-322, 1971
5)Moorthy RS, Inomata H, Rao NA:Vogt-Koyanagi-Harada syndrome. Surv Ophthalmol 39:265-292, 1995
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