臨床眼科71巻6号

2017年06月発行

特集 第70回日本臨床眼科学会講演集［4］ 原著

未就学児における両眼視機能の検討

著者： 髙橋由嗣¹ 佐藤司¹ 伊藤美沙絵¹ 望月浩志¹ 新井田孝裕¹

所属機関： ¹国際医療福祉大学保健医療学部視機能療法学科

ページ範囲：P.893 - P.898

要約　目的：未就学児での眼位と近見立体視を主とした両眼視機能の報告。

対象と方法：栃木県大田原市内の保育園と幼稚園に在籍する3〜6歳の1,597人を対象とした。眼位は交代遮蔽試験，近見時の立体視はTitmus stereo testで評価した。

結果：全体の2.3％に眼位異常があり，うち45.9％には眼科受診歴がなかった。正常範囲外にある近見時の立体視は，全体の4.4％にあり，うち42.6％では眼科的な異常所見はなかった。

結論：視力だけではなく，両眼視機能が発達段階にある未就学児では，両眼視機能検査を含めた健康診断が重要である。

参考文献

1）藤山由紀子・佐々木美絵・羽角智美・他：三歳児健康診査における視覚検査の実態．日視会誌31：231-238，2002

2）伊藤照子・梶原喜久子・御宿真理子・他：TNOステレオテストによる幼児の視機能スクリーニング第1報　3歳児における検査成績．日視会誌9：31-34，1981

3）中西直子・伊藤照子・川瀬芳克：TNOステレオテストによる幼児の視機能スクリーニング第2報　3歳児健診における検査成績．日視会誌10：40-43，1982

4）恒川幹子・林　浩実：長久手町3歳児健診における視機能スクリーニングについて（第1報）．日視会誌14：42-46，1986

5）長尾長彦・光田志のぶ・高崎裕子・他：倉敷市における3歳児健康診査での視覚検査の現状．日視会誌33：113-117，2004

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7）Feng L, Zhou J, Chen L et al：Sensory eye balance in surgically corrected intermittent exotropes with normal stereopsis. Sci Rep 19：13075, 2015

8）林佳名子・古賀市郎：3歳児健康診査における眼科検診の試み．日視会誌19：62-68，1991

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