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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻7号

2017年07月発行

文献概要

今月の表紙

IOL capture

著者: 海老根利沙1 下村嘉一2

所属機関: 1昭和大学藤が丘リハビリテーション病院 2近畿大学

ページ範囲:P.985 - P.985

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 症例は56歳,男性。2003年にドイツで右眼白内障手術を施行され(詳細不明),2015年12月に眼内レンズ(以下,IOL)脱臼をきたしたため,近医より紹介受診となった。当院初診時,右眼IOLは下方に完全脱臼しており,眼底下方には2か所網膜円孔の併発を認めた。視力は右0.07(1.2×+6.0D()cyl−0.5D 180°),左0.07(1.2×−4.5D()cyl−0.75D 90°),眼圧は右17mmHg,左16mmHgであった。翌日,IOL摘出および強膜内固定術・硝子体手術を施行し,1時部位に虹彩切除(以下,PI)を置いた。術直後はIOL正位であったが,術後4日目でIOL captureを認めたため,IOL整復術と6時部位にPIを追加施行した。その後経過は良好であったが,2016年7月の再診時に再度IOL captureを認めた。幸いにも翌日自然軽快していたが,今後もIOL captureを繰り返す可能性はある。

 現在,右眼視力は0.1(1.2×−3.25D()cyl−1.0D 180°),眼圧は18mmHg,顕鏡的にはIOLは正位で,前眼部炎症は認めず,眼底も特記すべき事項はなく,経過観察している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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