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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻7号

2017年07月発行

文献概要

特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著

トラスツズマブエムタンシン投与で角膜障害をきたした1例

著者: 水野優12 近間泰一郎1 戸田良太郎1 井之川宗右1 木内良明1

所属機関: 1広島大学大学院医歯薬保健学研究院視覚病態学 2県立広島病院眼科

ページ範囲:P.1051 - P.1055

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要約 目的:トラスツズマブエムタンシン(T-DM1,カドサイラ®)による治療後に角膜障害が生じた症例の報告。

症例:再発乳癌に対して化学療法中の75歳の女性が,2015年9月からT-DM1の投薬を開始された後に,両眼の視力低下を自覚し,11月に受診した。

所見と経過:受診時の矯正視力は右(0.2),左(0.2p)と低下していた。右眼に角膜上皮びらん,左眼に偽樹枝状病変を伴う角膜上皮障害がみられた。T-DM1の投与中止後に両眼の角膜障害は寛解した。

結論:T-DM1は角膜上皮障害が生じる可能性がある薬剤として注意が必要である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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