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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻8号

2017年08月発行

文献概要

臨床報告

受傷2日目に眼球運動障害を呈した重症マムシ咬傷の1例

著者: 田崎邦治12 加畑隆通1 大鹿哲郎2

所属機関: 1水戸済生会総合病院眼科 2筑波大学医学医療系眼科

ページ範囲:P.1159 - P.1163

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要約 目的:初期には軽傷と診断されたが,複視の出現に伴い重症化したマムシ咬傷の1例の報告。

症例:55歳の男性が左足をマムシに咬まれ近医に入院した。軽傷と判断され翌日に退院したが,退院後に受傷部の腫脹が悪化し複視も出現した。近医眼科を受診し当院を紹介された。

所見:左足関節付近に牙痕があり腫脹は左鼠径部に及んだ。右眼の内転障害と左眼の下直筋麻痺が認められた。重篤な合併症は出現せず症状は徐々に軽快した。受傷23日目には眼球運動障害は改善した。

結論:マムシ咬傷による眼症状の合併は重症化を示唆する因子として重要である。

参考文献

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11)星野和義・村上雅一・塩田摂成・他:マムシ咬傷46例の検討.日本臨床外科医学会雑誌59:1754-1759,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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