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特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
両眼同時発症した網膜中心動脈閉塞症の1例
著者: 野々村絹子1 中村裕介1 大矢佳美1 宗村守2 安藤伸朗1
所属機関: 1済生会新潟第二病院眼科 2東三条まもる眼科
ページ範囲:P.1239 - P.1244
文献購入ページに移動症例:67歳,男性。主訴は両眼視力低下。既往歴に心房細動があり,NOACを内服中であった。
所見と経過:視力は右光覚弁,左指数弁。両眼に網膜中心動脈閉塞症を認めた。頭部MRIで新鮮な多発微小梗塞を認め,心房細動により生じた血栓が原因と考えた。NOACは全身塞栓症予防効果に優れ,固定量投与の利便性から,近年ワルファリンに代わり使用されることが多いが,ワルファリンと異なり薬効を判定するモニター方法が存在しない。本症例ではNOACの用量不足や服薬遵守不良で薬効が減弱していた可能性が考えられた。
結論:NOAC服用下でも両眼CRAOを発症することがあり,NOACの特徴や注意点を理解する必要がある。
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