文献詳細
文献概要
特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
光覚消失するもステロイドが奏効した抗MOG抗体陽性視神経炎
著者: 竹内崇1 小島正嗣1 緒方奈保子1
所属機関: 1奈良県立医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1259 - P.1263
文献購入ページに移動症例:29歳,男性。左眼痛と視野狭窄のため近医受診し,視神経炎が疑われ当科を紹介され受診した。
所見:初診時の矯正視力は右眼1.5,左眼0.9,左眼の相対的求心性瞳孔障害を認め,左視神経乳頭は腫脹していた。MRIで左視神経の高信号と腫脹を認め,左眼に広範囲の視野欠損を認めた。初診5日目に左光覚が消失し,ステロイド投与を開始した。投与開始2日後に左光覚が出現し,4週間後には左眼矯正視力は1.0まで回復した。血液検査で抗MOG抗体陽性と判定され,抗MOG抗体陽性視神経炎と診断した。その後急性散在性脳脊髄炎を併発したためステロイド内服を継続しているが,8か月後の現在まで眼症状は悪化していない。
結論:ステロイド治療が抗MOG抗体陽性視神経炎に奏効した1例を経験した。
参考文献
掲載誌情報