icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻8号

2017年08月発行

特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[6]

Special Interest Group Meeting(SIG)報告

眼科DNAチップ研究会

著者: 上田真由美1 木下茂1

所属機関: 1京都府立医科大学感覚器未来医療学

ページ範囲:P.1276 - P.1279

文献概要

はじめに

 多くの疾患は,個人のもつ遺伝素因に環境因子が加わることで発症する多因子疾患である。多因子疾患の発症にかかわる体質を司る遺伝要因の1つとして,遺伝子多型(single nucleotide polymorphisms:SNPs)が挙げられる。近年,ゲノム解析技術は凄まじく進歩しており,SNPs解析についても,候補遺伝子アプローチに続いて,全ゲノム関連解析,最近では,次世代シーケンサーを用いた全エキソーム解析,さらには,全ゲノムシーケンス解析さえ可能になってきている。このようにゲノム研究が急速に進歩するなか,眼科でもゲノム研究を行っている先生方が多数おられる。

 2016年11月3日,第70回日本臨床眼科学会のSIGとして,第17回眼科DNAチップ研究会がグランドプリンスホテル京都で開催された。本研究会では,横浜市立大学の石原麻美先生にサルコイドーシス疾患感受性遺伝子について,京都府立医科大学ゲノム医科学の中野正和先生にフックス角膜内皮ジストロフィのゲノムワイド関連解析について,京都大学の仲田勇夫先生に遺伝性視神経症に対する次世代シーケンサーを用いた遺伝子診断パネルの使用成績について,東北大学東北メディカル・メガバンク機構ゲノム解析部の布施昇男先生に1,070人全ゲノム解析からみえた眼科疾患の保因者頻度についてご講演いただいた。また,筆者もジャポニカアレイを用いたスティーブンス・ジョンソン症候群のゲノムワイド関連解析について講演を行った。

 さらに教育講演として,ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社の田澤義明先生に,実際に癌の診療で用いられているゲノム検査について講演いただき,それぞれについて熱心な討論が行われた。本稿では,5つの講演ならびに教育講演の要旨を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら