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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻9号

2017年09月発行

文献概要

特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著

結膜下に線虫を認めた結膜炎の1例

著者: 山﨑駿1 松島博之1 妹尾正1 向井公一郎1 伊藤栄1 マルセロサトウ2 千種雄一2

所属機関: 1獨協医科大学眼科学教室 2獨協医科大学熱帯病寄生虫病学講座

ページ範囲:P.1353 - P.1356

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要約 目的:結膜下に線虫を1隻認めたため摘出し解析を行ったが,虫体の同定には至らなかった症例の報告。

症例:44歳の男性,左眼異物感で受診した。10年前にタイ,アメリカ,イタリアへの渡航歴があるも,そのほかに特記すべき既往はない。左結膜下に蠕動運動する線虫体を1隻認めたため摘出した。

所見:摘出した虫体は獨協医大熱帯寄生虫病教室で解析。形態学的には旋尾線虫目に属する線虫の雄と判明したが,種の同定には至らなかった。

結論:特記すべき既往がなくても結膜下に寄生虫を認める症例があり,原因不明の結膜炎症例の鑑別の1つとして念頭に置く必要があると思われた。

参考文献

1)Railliet A, Henry A:Nouvelles observations surles Thelazies, nematodes parasites de l'oeil. CRSoc Biol 68:783-785, 1910
2)萩原武雄・楠元忠雄・村上和充・他:人結膜より摘出した線虫の二例.熊本医学会雑誌31:179-183,1957
3)武村千紘・鈴木重成・桐木雅史・他:栃木県内で経験した東洋眼虫症の1例.臨眼69:1369-1372,2015
4)吉田幸雄・有薗直樹:東洋眼虫.図説人体寄生虫学 改訂第8版.132-133,南山堂,東京,2011
5)宮崎一郎・藤 幸治:眼虫症.図説人畜共通寄生虫症.633-639,九州大学出版会,福岡,1988
6)大鶴正満(編):ロア糸状虫.臨床寄生虫学 改訂第4版.288-289,南江堂,東京,1994
7)宮崎一郎・藤 幸治:ロア糸状虫.図説人畜共通寄生虫症.708-710,九州大学出版会,福岡,1988
8)屋良さとみ・比嘉 太・新垣紀子,他:Ivermectin治療をおこなったロア糸状虫症の1症例.感染症学雑誌75:151-154,2000
9)杉山悦朗・篠永 哲・月舘悦子・他:ロア糸状虫症の1症例.感染症学雑誌62:490-494,1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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