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特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著
巨細胞性動脈炎による虚血性視神経症の1例
著者: 小池優佳1 柴玉珠1 山崎広子1 石田剛2
所属機関: 1国立国際医療研究センター国府台病院眼科 2国立国際医療研究センター国府台病院中央検査部
ページ範囲:P.1363 - P.1367
文献購入ページに移動症例:85歳女性が2か月前からの右眼視力低下で受診した。同時期に咀嚼時の顎関節痛があった。
所見と経過:矯正視力は右手動弁,左0.2であった。両眼の視神経乳頭が蒼白で,乳頭陥凹はなかった。血液検査で白血球増加,CRPと血沈が亢進し,全身の炎症が推定された。これらの所見から巨細胞性動脈炎による虚血性視神経症が疑われ,ステロイドパルス療法を行った。浅側頭動脈の生検で,巨細胞動脈炎に矛盾しない所見が得られた。初診から87日後に他界するまで,左眼視力は0.3を維持した。
結論:進行した巨細胞性動脈炎によると推定される虚血性視神経症に対するステロイドパルス療法で,片側の視力が維持された。
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