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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻9号

2017年09月発行

文献概要

特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著

Bacillus cereus菌による重篤な外傷性眼内炎の1例

著者: 添田めぐみ1 渡辺芽里1 小幡博人1

所属機関: 1自治医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.1377 - P.1382

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要約 目的:外傷性角膜穿孔後に急速にBacillus cereus眼内炎に至った1例の報告。

症例:71歳の男性が,左眼を竹で突き,翌日近医を受診,角膜潰瘍の診断にて紹介され受診した。左眼視力は手動弁で,多量の眼脂が認められ,角膜潰瘍部は穿孔しており,角膜は全体的に強い浸潤と浮腫で混濁していた。直ちに,細菌性と真菌性の両方の可能性を考慮して治療を開始した。2日後,角膜擦過物の培養検査からBacillus cereus菌が検出されたため,感受性のある抗菌薬へ変更を行った。角膜混濁が改善した11日後に保存角膜によるパッチ移植術,白内障手術,前部硝子体切除を施行した。現在,角膜は混濁が残存するものの,矯正視力は0.05まで改善している。

結論:急激に進行する外傷性角膜潰瘍・眼内炎はBacillus cereus菌も疑い,早急に感受性のある抗菌薬の治療を開始する必要がある。

参考文献

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endophthalmitis. Retina 31:1518-1524, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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