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特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著
乳児内斜視における交代性上斜位の手術治療成績
著者: 中野由美子1 野村耕治1 福永とも子1 柳沢翠芳1
所属機関: 1兵庫県立こども病院眼科
ページ範囲:P.1415 - P.1421
文献購入ページに移動対象と方法:過去21年間にDVDに対する手術を行い,2年以上の経過を追えた28例を対象とした。乳児内斜視の初回手術の時期と,DVDの手術方法による術前,術1か月後と2年後の上方偏位量と水平眼位を検討した。
結果:内斜視に対し,9か月以内の超早期手術が5例,早期手術が17例,晩期手術が6例に行われた。DVDに対し,両眼の上直筋の大量後転術が17例,両眼の下斜筋の前方移動術が11例,両術式の併用が5例に行われた。超早期群では術後のDVDは改善し,上方の偏位量が全例で10Δ未満に減少した。超早期と早期手術群では,いずれの術式によっても上方の偏位量が減少し,術前後の水平眼位に変化はなかった。
結論:両眼の上直筋の大量後転術と両眼の下斜筋の前方移動術は,いずれもDVDの改善に有効であった。
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