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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻9号

2017年09月発行

文献概要

特集 第70回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著

高知医療センターにおける未熟児網膜症の発症関連因子および治療適応因子の検討

著者: 杉浦佳代1 林勇樹1 大庭啓介1 市川理惠1 岸茂2 福島敦樹2

所属機関: 1高知医療センター眼科 2高知大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.1435 - P.1439

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要約 目的:高知医療センターにおける未熟児網膜症(ROP)の発症に関連する因子と治療適応となる因子の検索。

対象と方法:2013年1月〜2015年12月の3年間に眼底精査を施行した新生児158例をレトロスペクティブに調査した。

結果:ROPは47例(29.7%)に発症し,そのうち19例(12.0%)は光凝固治療を受けた。出生体重,在胎週数,動脈管開存,人工換気,濃厚赤血球輸血が発症に関連する因子であった(p<0.01)。治療適応の判定に関与する因子は確認されなかった。光凝固を受けた全例が鎮静化した。

結論:高知医療センターにおいても,既報と同様にROPの発症には,出生体重,在胎週数,人工換気,動脈管開存,濃厚赤血球輸血が影響していた。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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