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文献概要
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あとがき
著者: 中澤満
所属機関:
ページ範囲:P.1474 - P.1474
文献購入ページに移動 ここに「臨床眼科」9月号をお届けいたします。小欄執筆はまだ7月,北日本でも梅雨にもかかわらず暑さ厳しい陽気ですので,本号がお手元に届く頃もさぞかしまだ残暑厳しい季節かと編集子は予想しています。
本号では,「今月の話題」で網膜の再生医療についての最新の知見を先端医療センター病院の平見恭彦先生に解説いただきました。特に世界で初めて自家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植を受けた加齢黄斑変性の患者さんの術後経過が報告されています。今回の治験から安全性とある程度の有効性が示されたのではないかと思われます。さらに今後の他家iPS細胞移植治験へ進展することの具体的根拠,ならびに網膜色素変性に対する視細胞移植への展望がこれまでの地道な動物実験の成果から示されています。これらはいずれも現場で患者さんからの質問に回答する立場の我々にとって,とても重要な情報であるといえます。本研究を長年にわたって推進されている髙橋政代先生,万代道子先生,栗本康夫先生を中心とする研究チームの今後の成果には注目したいと思います。今月の「熱血討論!緑内障道場」では,眼虚血症候群による超難治性血管新生緑内障に対する病態の考え方とそれに基づいた治療方法の考え方がとてもわかりやすく解説されています。この病態は眼循環と緑内障との境界領域で発症するものですので,総合的な考察が求められます。糖尿病網膜症でも最後に残された難治性疾患といえるでしょう。特に2回目のインプラント手術に対する谷戸正樹,濱中輝彦両先生の考え方には眼からうろこが落ちるような感覚を覚えます。木内良明先生の言われる通り,学会や研究会には出席できなくとも,せめて「臨床眼科」を定期購読することで己の知識を刷新したいものです。その他,臨床現場で遭遇する可能性のある症例を疑似体験できる症例報告や臨床研究成果も満載です。
本号では,「今月の話題」で網膜の再生医療についての最新の知見を先端医療センター病院の平見恭彦先生に解説いただきました。特に世界で初めて自家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植を受けた加齢黄斑変性の患者さんの術後経過が報告されています。今回の治験から安全性とある程度の有効性が示されたのではないかと思われます。さらに今後の他家iPS細胞移植治験へ進展することの具体的根拠,ならびに網膜色素変性に対する視細胞移植への展望がこれまでの地道な動物実験の成果から示されています。これらはいずれも現場で患者さんからの質問に回答する立場の我々にとって,とても重要な情報であるといえます。本研究を長年にわたって推進されている髙橋政代先生,万代道子先生,栗本康夫先生を中心とする研究チームの今後の成果には注目したいと思います。今月の「熱血討論!緑内障道場」では,眼虚血症候群による超難治性血管新生緑内障に対する病態の考え方とそれに基づいた治療方法の考え方がとてもわかりやすく解説されています。この病態は眼循環と緑内障との境界領域で発症するものですので,総合的な考察が求められます。糖尿病網膜症でも最後に残された難治性疾患といえるでしょう。特に2回目のインプラント手術に対する谷戸正樹,濱中輝彦両先生の考え方には眼からうろこが落ちるような感覚を覚えます。木内良明先生の言われる通り,学会や研究会には出席できなくとも,せめて「臨床眼科」を定期購読することで己の知識を刷新したいものです。その他,臨床現場で遭遇する可能性のある症例を疑似体験できる症例報告や臨床研究成果も満載です。
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