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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻1号

2018年01月発行

文献概要

臨床報告

過去10年間の眼球破裂症例の視力予後

著者: 鈴木幸彦1 鈴木香1 安達功武1 工藤孝志1 目時友美1 中澤満1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科眼科学講座

ページ範囲:P.101 - P.107

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要約 目的:眼球破裂症例の手術予後を報告する。

対象:過去10年間の眼球破裂28例29眼を,創の位置から角膜群(7眼),強角膜群(15眼),強膜群(7眼)に分類した。

方法:初回手術は創縫合のうえ,術者の判断で前房洗浄や硝子体手術を行う場合も,初回から眼球内容除去術を行う場合もあった。

結果:術後矯正視力が0.1以上/0.01〜0.09/指数弁以下はそれぞれ角膜群で14%/43%/43%,強角膜群で33%/20%/47%,強膜群で0%/0%/100%であり,いずれも不良であった。

結論:現在も眼球破裂症例の視力予後は不良であり,特に創が強膜後方に及ぶ場合は視力維持が困難で,今後の課題と考えられた。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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