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臨床ノート
亜脱臼した囊内固定眼内レンズを眼内でのハプティクス固定で整復した1例
著者: 高橋京一1
所属機関: 1たかはし眼科クリニック
ページ範囲:P.116 - P.119
文献購入ページに移動緒言
白内障手術患者の高齢化に伴い,偽落屑症候群やチン小帯の弱い症例に遭遇する機会が増加し,挿入眼内レンズ(intraocular lens:IOL)の偏位が起こる危険性が増大傾向にある。偏位したIOLの整復には,いったんIOLを摘出し,その後二次挿入という形で縫着術や強膜内固定を行うという方法が一般的で,IOL摘出の工夫が各種報告されている1,2)。しかしながら,IOL摘出の際のトラブルや乱視の増加のリスクは少なからずあり,特に術前視力の良い症例ではIOL摘出は決断しにくい。今回筆者が行った眼内でのハプティクス固定術は,IOL摘出がないため,合併症や乱視増加のリスクを回避できる1つの手段であり,有益な方法と考えられる。
白内障手術患者の高齢化に伴い,偽落屑症候群やチン小帯の弱い症例に遭遇する機会が増加し,挿入眼内レンズ(intraocular lens:IOL)の偏位が起こる危険性が増大傾向にある。偏位したIOLの整復には,いったんIOLを摘出し,その後二次挿入という形で縫着術や強膜内固定を行うという方法が一般的で,IOL摘出の工夫が各種報告されている1,2)。しかしながら,IOL摘出の際のトラブルや乱視の増加のリスクは少なからずあり,特に術前視力の良い症例ではIOL摘出は決断しにくい。今回筆者が行った眼内でのハプティクス固定術は,IOL摘出がないため,合併症や乱視増加のリスクを回避できる1つの手段であり,有益な方法と考えられる。
参考文献
法)におけるポケットフラップ埋没法の効果.臨眼66:433-436,2012
2)大田俊彦:IOL摘出時のL-ポケット切開法.第39回日本眼科手術学会抄録集:107,2016
3)Azar DT, Wiley WF:Double-knot transscleral suture fixation technique for displaced intraocular lenses. Am J Ophthalmol 128:644-646, 1999
4)Smiddy WE:Modification of scleral suture fixation technique for dislocated posterior chamber intraocular lens implants. Arch Ophthalmol 116:967, 1998
5)杉浦 毅:落屑症候群と白内障.日本の眼科88:17-23,2017
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