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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
黄斑前膜に対する25G,27G硝子体手術の比較
著者: 南千智1 武居敦英1 横山利幸1 杉田丈夫1 鈴木貴英1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属練馬病院眼科
ページ範囲:P.1373 - P.1377
文献購入ページに移動対象と方法:順天堂大学医学部附属練馬病院でERMに対し初回硝子体手術を行った42例42眼(男性15眼,女性27眼,69.5±8.3歳)を対象とし診療記録をさかのぼった。16眼は2013年7月〜2015年3月に25G,26眼は2015年4月〜2017年3月に27Gを用いた。27G群では,26眼中5眼でTwin Duty Cycle Cutter(TDCカッター®)を用いた。25G群と27G群の間で,手術時間,術後合併症,術後眼圧,術後1か月の視力改善度を比較した。
結果:25G使用群14眼(白内障手術あり)と27G使用群24眼(白内障手術あり)の間で手術時間を比較した結果,27G使用群で有意に手術時間が長かった(p=0.04)。TDCカッター使用群5眼(白内障手術あり)の手術時間は,25G使用群14眼(白内障手術あり)との間に有意差はなかった(p=0.30)。術後一過性低眼圧や,術前日から術翌日にかけての眼圧変化に関して,両群の間に有意差はなかった。25G群と27G群の間で術前視力,術後視力にそれぞれ有意差はなく(p=0.32 p=0.81),視力改善度についても有意差はなかった(p=0.43)。
結論:ERMに対する硝子体手術において27Gは,25Gと比較して手術時間や合併症に差はなかったが,TDCカッター®を使用しない場合には有意に手術時間が長くなった。
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