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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
富山市における緑内障検診の5年の結果
著者: 片山寿夫1 高橋英雄2 島田一彦2 東條直貴3 林篤志3
所属機関: 1片山眼科医院 2富山市医師会 3富山大学大学院医学薬学研究部眼科学講座
ページ範囲:P.1393 - P.1403
文献購入ページに移動対象と方法:富山市に在住する45,50,55歳の検診対象者のうち希望者を対象とした。検診内容は,問診,細隙灯顕微鏡検査,眼圧,散瞳下立体的乳頭検査,眼底写真撮影を行った。撮影した写真を読影委員会で精密検査が必要か否かを判定した。精密検査は保険診療で行い,視力,隅角検査,視野検査,光干渉断層計検査を行い,緑内障専門医が加わった読影委員会で最終的に判定した。
結果:対象者数は5年間で30,277人,受診者数は2,813人(9.3%),要精密検診者数は646人(要精検率22.9%),精密検査受診者数584人(90.4%)であった。緑内障は5年間で105人(受診者の3.7%)に発見された。内訳は狭義の原発開放隅角緑内障は17%,正常眼圧緑内障は83%,その他の緑内障はなかった。45歳で2.6%,50歳で3.0%,55歳で5.4%に緑内障が発見された。
結論:早期発見を目的とし,45,50,55歳を対象とした富山市緑内障検診で,緑内障発見率は全体で受診者の3.7%で,45歳では2.6%であり,40歳台にも検診が必要と考えられた。本検診には緑内障専門医と富山市医師会の連携が必要であった。富山市と富山市医師会で最終病名を把握し,データの管理ができている検診と考えられた。
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