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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻10号

2018年10月発行

文献概要

特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著

富山市における緑内障検診の5年の結果

著者: 片山寿夫1 高橋英雄2 島田一彦2 東條直貴3 林篤志3

所属機関: 1片山眼科医院 2富山市医師会 3富山大学大学院医学薬学研究部眼科学講座

ページ範囲:P.1393 - P.1403

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要約 目的:緑内障の早期発見を目的とし,富山市が行った緑内障検診の2012年から5年間の結果を報告する。

対象と方法:富山市に在住する45,50,55歳の検診対象者のうち希望者を対象とした。検診内容は,問診,細隙灯顕微鏡検査,眼圧,散瞳下立体的乳頭検査,眼底写真撮影を行った。撮影した写真を読影委員会で精密検査が必要か否かを判定した。精密検査は保険診療で行い,視力,隅角検査,視野検査,光干渉断層計検査を行い,緑内障専門医が加わった読影委員会で最終的に判定した。

結果:対象者数は5年間で30,277人,受診者数は2,813人(9.3%),要精密検診者数は646人(要精検率22.9%),精密検査受診者数584人(90.4%)であった。緑内障は5年間で105人(受診者の3.7%)に発見された。内訳は狭義の原発開放隅角緑内障は17%,正常眼圧緑内障は83%,その他の緑内障はなかった。45歳で2.6%,50歳で3.0%,55歳で5.4%に緑内障が発見された。

結論:早期発見を目的とし,45,50,55歳を対象とした富山市緑内障検診で,緑内障発見率は全体で受診者の3.7%で,45歳では2.6%であり,40歳台にも検診が必要と考えられた。本検診には緑内障専門医と富山市医師会の連携が必要であった。富山市と富山市医師会で最終病名を把握し,データの管理ができている検診と考えられた。

参考文献

1)日本緑内障学会 緑内障診療ガイドライン作成委員会:緑内障診療ガイドライン(第3版).日眼会誌116:3-46,2012
2)金沢市医師会緑内障検討委員会:狩野宏成・中川寛忠・藤村和正・他:金沢市緑内障検診.日本の眼科78:929-932,2007
3)日本眼科医会:「成人を対象とした眼検診」研究班業績集,日本の眼科88(付録):3-22,2017
4)鈴木浩太郎・大竹雄一郎・谷野富彦・他:眼底写真による緑内障スクリーニング.眼紀55:202-205,2004
5)Iwase A, Suzuki Y, Araie M et al:The prevalence of primary open-angle glaucoma in Japanese:the Tajimi Study. Ophthalmology 111:1641-1648, 2004
6)宮内 修・柳田 隆・川北聖子・他:金沢市における緑内障検診.あたらしい眼科31:1523-1530,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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