文献詳細
特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[8]
原著
文献概要
要約 目的:白内障手術時に使用するスリットナイフの評価をした。
対象と方法:2.4mmスリットナイフ9種(シングルベベル6種,ダブルベベル3種)を対象とし,ナイフ先端部の最大幅,最大幅位置,先端角度,先端強化部角度,刃付角度,板厚を測定した。また豚眼強角膜片を人工前房装置に固定し,眼圧を一定にした状態で角膜1面切開創を作製する際の刺通抵抗値を測定した。作製した切開創はトリパンブルーで染色し,デジタル顕微鏡で撮影しその大きさを測定し比較した。
結果:最大幅は2.35〜2.49mm,最大幅位置は2.02〜3.58mm,先端角度は36〜60°,先端強化部角度は42〜67°,刃付角度は4〜20°,板厚は0.09〜0.18mmとナイフ先端部の形状はそれぞれ大きく異なっていた。刺通抵抗値は132.5〜387.9mNと差が生じ,切れ味の違いがあった。切開創の大きさは内側で2.40〜2.55mm,外側で2.22〜2.41mmと内側のほうが創口が大きく,ばらつきも異なった。
結論:市販されている2.4mmスリットナイフはそれぞれ異なる形状をし,切れ味と作製される切開創の大きさも異なる。白内障手術の小切開化に伴い,スリットナイフの特徴が術後成績に関連する可能性が考えられた。
対象と方法:2.4mmスリットナイフ9種(シングルベベル6種,ダブルベベル3種)を対象とし,ナイフ先端部の最大幅,最大幅位置,先端角度,先端強化部角度,刃付角度,板厚を測定した。また豚眼強角膜片を人工前房装置に固定し,眼圧を一定にした状態で角膜1面切開創を作製する際の刺通抵抗値を測定した。作製した切開創はトリパンブルーで染色し,デジタル顕微鏡で撮影しその大きさを測定し比較した。
結果:最大幅は2.35〜2.49mm,最大幅位置は2.02〜3.58mm,先端角度は36〜60°,先端強化部角度は42〜67°,刃付角度は4〜20°,板厚は0.09〜0.18mmとナイフ先端部の形状はそれぞれ大きく異なっていた。刺通抵抗値は132.5〜387.9mNと差が生じ,切れ味の違いがあった。切開創の大きさは内側で2.40〜2.55mm,外側で2.22〜2.41mmと内側のほうが創口が大きく,ばらつきも異なった。
結論:市販されている2.4mmスリットナイフはそれぞれ異なる形状をし,切れ味と作製される切開創の大きさも異なる。白内障手術の小切開化に伴い,スリットナイフの特徴が術後成績に関連する可能性が考えられた。
参考文献
1)後藤憲仁:切開創作成.OCULISTA 45:19-25,2016
2)小川智一郎:手術と惹起乱視 白内障手術と惹起乱視.OCULISTA 29:33-40,2015
3)清水公也:白内障手術の変遷.臨眼70:1187-1192,2016
4)佐藤正樹・林 研・根岸一乃・他:2016年度JSCRS会員アンケート.IOL & RS 31:411-427,2017
5)松島博之・野堀秀穂:白内障切開創の極小化におけるスリットナイフの精度.眼科手術20:49-53,2007
6)野堀秀穂・松島博之・高橋佳二・他:各種スリットナイフによる創形成および切開創への負荷.眼科手術20:247-250,2007
7)細野幸太:伝統産業と表面化学⑩ 刃物の歴史と発見に向けて.表面科学38:526-527,2017
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