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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻11号

2018年10月発行

文献概要

増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準 2.眼表面・角膜疾患 2)診断・治療

アレルギー性結膜疾患の診断と治療

著者: 岸本達真1 福田憲1

所属機関: 1高知大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.70 - P.73

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以前の常識

 ●アレルギー性結膜炎の治療の効果判定や,薬剤選択に有用な自覚症状の評価法が存在しなかった。

 ●アレルギー性結膜疾患の診断において,眼局所のⅠ型アレルギーを証明するために結膜の好酸球を同定する必要があった。

 ●春季カタルの治療はステロイド点眼薬を中心に用いられてきたが,眼圧上昇の副作用があった。

 ●アレルギー性結膜炎の治療は,対症療法が主であった。

現在の常識

 ●アレルギー性結膜疾患QOL調査票が開発された。

 ●眼局所のⅠ型アレルギーを証明する方法として,涙液総IgE迅速検査キットが用いられるようになった。

 ●アレルギー性結膜疾患のガイドラインが改訂され,春季カタルの治療に免疫抑制点眼薬が用いられるようになった。

 ●スギ花粉症の治療法に抗原特異的免疫療法が加わった。

参考文献

1)深川和己・藤島 浩・福島敦樹・他:アレルギー性結膜疾患特異的quality of life調査票の確立.日眼会誌116:494-502,2012
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3)Nomura K, Takamura E:Tear IgE concentrations in allergic conjunctivitis. Eye 12:296-298, 1998
4)庄司 純・内尾英一・海老原伸行・他:アレルギー性結膜疾患診断における自覚症状,他覚所見および涙液総IgE検査キットの有用性の検討.日眼会誌116:485-493,2012
5)高村悦子・内尾英一・海老原伸行・他:春季カタルに対するシクロスポリン点眼液0.1%の全例調査.日眼会誌115:508-515,2011
6)大橋裕一・内尾英一・海老原伸行・他:免疫抑制点眼薬の使用指針—春季カタル治療薬の市販後全例調査からの提言.あたらしい眼科30:487-498,2013
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8)荻原仁美・湯田厚司・宮本由起子・他:スギ花粉症に対する免疫療法のQOL評価-薬物療法と比較して.日鼻誌49:26-32,2010
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11)湯田厚司・小川由起子・鈴木祐輔・他:スギ花粉症舌下免疫療法の治療2年目133例における2016年の治療効果.アレルギー65:1209-1218,2016
12)吉川沙耶花・上條 篤・中込一之・他:スギ花粉舌下免疫療法におけるアドヒアランス不良例と脱落例の背景と治療に対する理解度の検討.アレルギー66:1165-1171,2017
13)湯田厚司・小川由起子・鈴木祐輔・他:スギ花粉症舌下免疫療法の治療3年目112例の臨床効果.アレルギー66:1172-1180,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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