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臨床報告
増殖糖尿病網膜症に対する小切開硝子体手術の視力予後因子の検討
著者: 岩田健作1 春田雅俊1 上原浩嗣1 石橋弘基1 山川良治1
所属機関: 1久留米大学医学部眼科学講座
ページ範囲:P.1593 - P.1599
文献購入ページに移動対象と方法:増殖糖尿病網膜症に対し,過去8年6か月間に初回小切開硝子体手術を行い,6か月以上の経過が追えた220眼を対象とした。単純硝子体出血155眼,黄斑外網膜剝離43眼,黄斑部網膜剝離22眼であり,視力が改善した183眼と不変または悪化した37眼について,周術期因子との関係を解析した。
結果:単純硝子体出血群では,他の2群よりも高年齢で,後部硝子体剝離形成と汎網膜光凝固の頻度が高く,増殖膜の頻度が低かった。視力改善群は,視力が不変または悪化した群よりも,術前の矯正視力が不良で,硝子体出血と後部硝子体剝離の頻度が高く,増殖膜の頻度が低かった。多変量解析による検討では,術前に増殖膜がないことが術後の視力改善と有意に関連していた(p=0.02)。
結論:PDRに対する小切開硝子体手術では,手術時の増殖膜の有無が視力予後に関係する。
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