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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻13号

2018年12月発行

文献概要

特集 OCTアンギオグラフィを始めるために—コツと落とし穴

企画にあたって

著者: 坂本泰二1

所属機関: 1鹿児島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1635 - P.1635

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 光干渉断層血管撮影(OCTアンギオグラフィ:OCTA)は,眼科領域で最近急速に広まっている検査である。その理由としては,この検査が2018年度の診療報酬改定で保険収載されたこともあるが,従来のフルオレセイン蛍光眼底造影検査(FA)などに比べ,患者への侵襲がほとんどないことが挙げられる。

 ただし,実施やその解釈に当たっては,注意すべき点が多い。まず,機器は従来のOCTと似ているが,それと同等あるいはそれ以上にアーチファクトが多い。一方,結果の解釈も同じではない。眼底血管を描出するので,従来のFAと類似した像を示すため,同じように考えがちであるが,それでは解釈を誤る。つまり,OCTやFAとは全く異なる検査であると認識すべきである。より大きな問題は,その点が十分に理解されていないことではなかろうか。OCTが初めて現れたときは,今までに見たこともない検査機器ということで,一般臨床家や研究者から多くの質問を受け,正しい理解が広まったが,今回はそのようなことが少ない。また,撮影結果の誤った解釈が,堂々と披歴されている場合も多い。OCTAは,臨床検査に用いられる機器であり,単なる研究装置ではないので,誤った解釈は直接患者の不利益につながる。そのことは絶対に避けるべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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