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特集 OCTアンギオグラフィを始めるために—コツと落とし穴
加齢黄斑変性
著者: 大島裕司1
所属機関: 1福岡大学筑紫病院眼科
ページ範囲:P.1660 - P.1667
文献購入ページに移動加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は,以前より欧米における中高年の中途失明の主要疾患であり,わが国やアジア諸国においても近年増加している。Wongら1)は,2040年までに全世界でAMD患者数は2億8800万人にまで増加し,特にアジアでは1億1300万人にまで増加,アジア圏が最も増えると予想している。AMDは抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)療法が登場して以来,視力維持のみならず視力改善が得られる症例も認められるようになってきている。そのためには,できるだけ早期に診断したうえで治療を開始し,継続的に治療を行っていくことが重要である。
AMDの診断・病型分類,そして治療後の経過観察にはフルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)やインドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA)が重要であるが,頻回に行うことは事実上不可能である。光干渉断層血管撮影(optical coherence tomograph angiography:OCTA)は,OCTを用いて血流動態に基づいて血管構造を非侵襲的に描出することができる新しいイメージング機器である。現在,従来のFA,IAやOCTのみならず,OCTAを用いたAMDの診断が多く試みられている。滲出型AMDの診断には脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)の存在が重要である。本稿では,滲出型AMDの診断におけるOCTAの有用性について述べたい。
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