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臨床報告
コンタクトレンズ処方における眼底検査の意義
著者: 伊佐敷靖1
所属機関: 1通町眼科医院
ページ範囲:P.259 - P.264
文献購入ページに移動要約 目的:コンタクトレンズを処方する際に実施する眼底検査の意義の検討。
対象と方法:2015年4月から2017年3月までの2年間にコンタクトレンズ処方を希望して来院した16,452名を対象とした。男性5,130例,女性11,322例で,年齢は9〜84歳,平均36歳であった。全員に眼底検査を含む眼科的検査を行い,眼底疾患が初めて発見された39例(0.23%)を診療録の記述に基づいて検索した。
結果:39例中,網膜疾患は22例で,黄斑上膜7例,網膜色素変性などの遺伝性眼底疾患4例,黄斑変性3例,網膜裂孔2例,網膜静脈分枝閉塞2例,裂孔原性網膜剝離1例,黄斑円孔1例,高血圧網膜症1例などであった。緑内障は9例にあり,全例が開放隅角緑内障であった。視神経疾患は8例で,緑内障以外の視神経萎縮が5例にあった。
結論:コンタクトレンズを処方する際の眼底検査を含む眼科的検査は,眼底疾患のスクリーニングとして有意義である。
対象と方法:2015年4月から2017年3月までの2年間にコンタクトレンズ処方を希望して来院した16,452名を対象とした。男性5,130例,女性11,322例で,年齢は9〜84歳,平均36歳であった。全員に眼底検査を含む眼科的検査を行い,眼底疾患が初めて発見された39例(0.23%)を診療録の記述に基づいて検索した。
結果:39例中,網膜疾患は22例で,黄斑上膜7例,網膜色素変性などの遺伝性眼底疾患4例,黄斑変性3例,網膜裂孔2例,網膜静脈分枝閉塞2例,裂孔原性網膜剝離1例,黄斑円孔1例,高血圧網膜症1例などであった。緑内障は9例にあり,全例が開放隅角緑内障であった。視神経疾患は8例で,緑内障以外の視神経萎縮が5例にあった。
結論:コンタクトレンズを処方する際の眼底検査を含む眼科的検査は,眼底疾患のスクリーニングとして有意義である。
参考文献
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9)平塚義宗・小野浩一・中野 匡・他:成人を対象とした眼科検診の現状と地域独自の取り組み.日本の眼科88付録(日本眼科医会「成人を対象とした眼検診」研究班業績集):3-22,2017
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