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臨床報告
長期緑内障点眼による皮膚癒着をきたした眼瞼外反症術後皮膚欠損に被覆材DuoActive® ETが奏効した1例
著者: 鄭暁東12 五藤智子2 溝上志朗13 白石敦1 大塚三由里2 本山真希2
所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室 2はなみずき眼科 3南松山病院眼科
ページ範囲:P.327 - P.332
文献購入ページに移動症例:76歳,男性。近医より右下眼瞼外反症を指摘され,紹介受診となる。15年以上プロスタグランジン(PG)製剤点眼にて緑内障加療され,慢性眼瞼炎,流涙の既往があった。初診時に右下眼瞼外反,高度結膜充血,眼脂,眼瞼縁炎を認めた。外反した瞼縁と下眼瞼皮膚との癒着が強く,高度な皮膚発赤,菲薄化を認めた。眼瞼水平方向弛緩も強く,lateral tarsal strip procedure術を行い,外反した瞼縁を鈍的に分離した。術後に下眼瞼縁,外眼角部皮膚欠損を認めたため,皮膚再生を促すとともに再癒着防止のため被覆材DuoActive® ETを使用した。被覆2週間後に外反矯正良好,創部上皮再生,創傷治癒した。
結論:PG製剤長期点眼による高度下眼瞼縁炎を合併した外反症は,瞼縁皮膚癒着が高度であり,通常の外反手術のみでは再癒着など増悪の可能性があり,術後皮膚欠損に対して被覆材DuoActive® ETが創傷治癒に簡便で有用であった。
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