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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻3号

2018年03月発行

文献概要

臨床報告

長期緑内障点眼による皮膚癒着をきたした眼瞼外反症術後皮膚欠損に被覆材DuoActive® ETが奏効した1例

著者: 鄭暁東12 五藤智子2 溝上志朗13 白石敦1 大塚三由里2 本山真希2

所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室 2はなみずき眼科 3南松山病院眼科

ページ範囲:P.327 - P.332

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要約 目的:長期緑内障点眼によって瞼縁皮膚癒着を合併した下眼瞼外反症の術後の皮膚欠損に,被覆材DuoActive® ETを利用して治癒できた症例の報告。

症例:76歳,男性。近医より右下眼瞼外反症を指摘され,紹介受診となる。15年以上プロスタグランジン(PG)製剤点眼にて緑内障加療され,慢性眼瞼炎,流涙の既往があった。初診時に右下眼瞼外反,高度結膜充血,眼脂,眼瞼縁炎を認めた。外反した瞼縁と下眼瞼皮膚との癒着が強く,高度な皮膚発赤,菲薄化を認めた。眼瞼水平方向弛緩も強く,lateral tarsal strip procedure術を行い,外反した瞼縁を鈍的に分離した。術後に下眼瞼縁,外眼角部皮膚欠損を認めたため,皮膚再生を促すとともに再癒着防止のため被覆材DuoActive® ETを使用した。被覆2週間後に外反矯正良好,創部上皮再生,創傷治癒した。

結論:PG製剤長期点眼による高度下眼瞼縁炎を合併した外反症は,瞼縁皮膚癒着が高度であり,通常の外反手術のみでは再癒着など増悪の可能性があり,術後皮膚欠損に対して被覆材DuoActive® ETが創傷治癒に簡便で有用であった。

参考文献

1)笠井達也・他:新しい創傷被覆材料DuoACTIVE(DuoDERM)による若干の皮膚潰瘍の治療.日本皮膚科学会雑誌97:1148,1987
2)岸本三郎・若林俊治・小林和夫・他:採皮創や皮膚潰瘍に対するDuoACTIVE Dressingの臨床効果.臨床医薬4:1477-1482,1988
3)永井 格・他:ハイドロコロイド創傷被覆材(DuoActive DressingR)の口腔内創傷部への応用.日本口腔外科学会雑誌42:780,1996
4)Yotsu RR, Hagiwara S, Okochi H et al:Case series of patients with chronic foot ulcers treated with autologous platelet-rich plasma. J Dermatol 42:288-295, 2015
5)Custer PL, Kent TL:Observation on prostaglandin orbitopathy. Ophthalmol Plast Reconstr Surg 32:102-105, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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