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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
網膜細動脈瘤破裂に伴う黄斑円孔の発症機序を術中所見から推察できた1例
著者: 田村和樹1 北川順久1 田中公二1 森隆三郎1 中静裕之1
所属機関: 1日本大学医学部視覚科学系眼科学分野
ページ範囲:P.377 - P.381
文献購入ページに移動症例:67歳女性,主訴は突然の右眼視力低下。
所見:初診時視力は右眼(0.15),左眼(0.8),眼圧は右眼20mmHg,左眼21mmHgであった。前眼部所見は両眼軽度白内障を認め,眼底所見では右眼黄斑部に網膜細動脈瘤破裂による内境界膜下出血,網膜下出血を認めた。高血圧を認めたため,内科で入院加療後,発症2週後に水晶体再建術および27G硝子体手術を行った。内境界膜剝離を行い,内境界膜下出血を除去,中心窩に器質化した血塊を認めたため硝子体剪刀で切除した。網膜細動脈瘤から連続的に網膜下さらには小さな黄斑円孔に通じる白色索状物を認めた。20%SF6ガス置換し,24時間の腹臥位とした。術後,黄斑円孔は閉鎖し,右眼視力は(0.8)に改善した。
結論:本症例では網膜細動脈瘤から網膜下出血を生じ,網膜下圧上昇から,中心窩に黄斑円孔が形成されたと考えられた。
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