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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
抗MOG抗体高力価陽性脳脊髄炎後に発症した視神経炎の1例
著者: 前嶋京子1 花田厚枝12 金子仁彦3 高橋利幸4 須永康夫5
所属機関: 1JCHO群馬中央病院眼科 2群馬大学大学院医学系研究科脳神経病態制御学講座眼科学 3東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学 4NHO米沢病院神経内科 5JCHO群馬中央病院小児科
ページ範囲:P.401 - P.405
文献購入ページに移動症例:6歳女児。発熱,頸部の疼痛,歩行障害を発症し,当院小児科へ入院。その際,視力は左右とも1.2であった。MRIで大脳と視床,脊髄に高信号域があり,脳脊髄炎と診断された。メチルプレドニゾロンによるステロイドパルス治療1クール施行後,症状は軽快した。髄液の抗MOG抗体は強陽性であった。退院7日後,両眼の視力障害で再受診。
所見と経過:視力は左右眼とも光覚弁で,両眼に強い乳頭浮腫があった。両眼の視神経にMRIで高信号があり,視神経炎と診断した。ステロイドのパルス療法で,3クール後に視力は左右眼とも1.2に回復した。3か月後の抗MOG抗体は大きく低下した。以後13か月間,視神経炎の再発はない。
結論:抗MOG抗体が高値の脳脊髄炎の治療後に視神経炎が発症し,ステロイドパルス療法で寛解した。
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