文献詳細
特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[2]
原著
退行性眼瞼下垂術後のコントラスト感度変化
著者: 鄭暁東12 五藤智子2 白石敦1 村山友菜2 藤岡里奈2
所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室 2はなみずき眼科
ページ範囲:P.499 - P.505
文献概要
対象と方法:対象は,はなみずき眼科にて退行性眼瞼下垂手術を施行した20例40眼(年齢72.8±8.7歳)。Margin reflex distance(MRD)≧1mmを軽症群,MRD≦0mmを重症群に分類した。全例に挙筋短縮術を行い,必要に応じて皮膚切除を併用した。術前および術後1か月に,MRD計測,裸眼視力,5mでの明所視および薄暮視のコントラスト感度をcontrast glare tester(CGT-2000)にて評価し,また,眼精疲労について視覚的評価尺度(VAS)によるアンケート調査を行った。
結果:両群ともに術後のMRDは有意に改善した(p=0.016,p=0.007)。視力変化は両群ともに有意差はなかった。軽症群では,コントラスト感度に術前後の有意な変化はなかったが,重症群では明所視および薄暮視のグレアoff状態の高周波数において有意な改善がみられた(p=0.022,p=0.018)。術後自覚症状のVASスコアは両群とも有意に改善し,特に重症群では視機能関連項目が有意に改善した(all p<0.05)。
結論:眼瞼挙筋短縮術後の視機能改善にはコントラスト感度向上が関与する可能性が示された。
参考文献
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