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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著
アイトラッカーを用いた重度脳性麻痺患者の視運動性眼振の分類
著者: 鈴木賢治1 新井田孝裕1 佐藤司1 髙橋由嗣1 野上豪志1 原直人1 藤山由紀子1
所属機関: 1国際医療福祉大学保健医療学部視機能療法学科
ページ範囲:P.543 - P.550
文献購入ページに移動対象と方法:対象は痙直型の重度脳性麻痺患者4例。眼球運動の測定にはアイトラッカーを使用した。視覚刺激は0.3cycles/degreeの矩形波チャートを水平方向へ5秒間ずつ10degree/sec(dps)で移動させた。刺激の間にはインターバルを設け,刺激提示時と比較した(マン・ホイットニーのU検定)。視線位置からOKNの緩徐相速度を算出し,3.0dps以上をLOKN,3.0dps未満をSOKNに分類した。
結果:全例で視覚刺激提示時とインターバルの眼球運動速度の間に有意差があり(p<0.0001),OKNが誘発された。4例の緩徐相速度はそれぞれ3.4,4.0,4.6,1.8dpsで,3例がLOKN,1例がSOKNに分類された。
結論:本法により重度脳性麻痺患者4例のOKNをLOKNとSOKNに分類でき,LOKNに分類された3例については能動的に視覚を活用できることが示された。本法は重度脳性麻痺患者の客観的視機能評価法の1つとして期待される。
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