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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著
片眼のVogt-小柳-原田病治療中に僚眼にMPPEを合併したと考えられる1例
著者: 須藤希実子1 野村隆仁1 石黒利充1
所属機関: 1成田記念病院眼科
ページ範囲:P.587 - P.592
文献購入ページに移動症例:46歳の男性が左眼の霧視で受診した。
所見と経過:矯正視力は右1.2,左0.1で,左眼の黄斑部に漿液性網膜剝離があった。フルオレセイン蛍光眼底造影と光干渉断層計などの所見から原田病と診断した。ステロイドパルス療法などで左眼の網膜剝離は1か月後に寛解し,視力は1.2に回復した。2か月後に右眼に漿液性網膜剝離が生じた。ステロイドパルス療法には反応せず,その4か月後の蛍光眼底造影で6か所の漏出点があった。MPPEと診断し,5か所の漏出点を光凝固した。2か月後に右眼の網膜剝離は消失した。
結論:片眼の原田病の治療としてステロイド薬を全身投与したことが,僚眼のMPPEの原因となった可能性がある。
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