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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻5号

2018年05月発行

文献概要

特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著

瘙痒抑制で片眼に冷却遮閉を行った後に生じた感覚性外斜視の1例

著者: 渡辺このみ1 渡辺一彦1 梅澤さゆり1 松岡ちひろ1 中村友香里1 河合あずさ1

所属機関: 1あさひ総合病院眼科

ページ範囲:P.709 - P.712

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要約 目的:瘙痒抑制で片眼に冷却遮閉を行った後に感覚性外斜視を生じた症例の報告。

症例:8歳女児が,右眼瞼の瘙痒感が強くなり,皮膚科を受診し,抗アレルギー内服薬を処方され,濡らしたタオルで冷やすように指示された。その後,たまに複視を自覚するようになった。18日後,右眼の外斜を訴え受診した。視力は両眼とも1.5であったが,右眼は固視不良であり,左眼固視で,遠見45Δ外斜視18Δ右上斜視,近見50Δ外斜視18Δ右上斜視がみられた。両眼視機能も低下し,右眼を冷やし続けないことと左眼の時間遮閉を指示し,両眼視機能訓練を行った。4か月後に外斜視は消失し,両眼視機能も改善した。

結論:小児では,瞼をタオルなどで冷やす際にも,片眼のみで継続させると固視不良となり,感覚性外斜視になる可能性があり,注意が必要と思われた。

参考文献

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6)不二門 尚・小島ともゑ:両眼視の中枢機構.目で見る両眼視機能検査の進めかた.1-9,金原出版,東京,2001
7)平川宣幸・矢ノ下良平・吉井 大・他:アレルギー性結膜炎における冷却シートの効果と涙液中ヒスタミン濃度.薬学雑誌130:971-975,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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