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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
瘙痒抑制で片眼に冷却遮閉を行った後に生じた感覚性外斜視の1例
著者: 渡辺このみ1 渡辺一彦1 梅澤さゆり1 松岡ちひろ1 中村友香里1 河合あずさ1
所属機関: 1あさひ総合病院眼科
ページ範囲:P.709 - P.712
文献購入ページに移動症例:8歳女児が,右眼瞼の瘙痒感が強くなり,皮膚科を受診し,抗アレルギー内服薬を処方され,濡らしたタオルで冷やすように指示された。その後,たまに複視を自覚するようになった。18日後,右眼の外斜を訴え受診した。視力は両眼とも1.5であったが,右眼は固視不良であり,左眼固視で,遠見45Δ外斜視18Δ右上斜視,近見50Δ外斜視18Δ右上斜視がみられた。両眼視機能も低下し,右眼を冷やし続けないことと左眼の時間遮閉を指示し,両眼視機能訓練を行った。4か月後に外斜視は消失し,両眼視機能も改善した。
結論:小児では,瞼をタオルなどで冷やす際にも,片眼のみで継続させると固視不良となり,感覚性外斜視になる可能性があり,注意が必要と思われた。
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