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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
白内障手術を行った38名に対する累進屈折力眼鏡の処方割合や矯正の調査
著者: 有賀義之1 梶田雅義1
所属機関: 1梶田眼科
ページ範囲:P.723 - P.727
文献購入ページに移動対象と方法:対象は2015年6月〜2016年11月に両眼の白内障手術を行った38名(平均69.4±9.6歳)である。白内障手術前・術後の等価球面屈折値,眼鏡処方の割合,処方に至った日数をレトロスペクティブに調査した。
結果:38名の白内障手術前の等価球面屈折値は−1.31±4.35D(平均SE),術後平均SEは−1.13±1.54Dであり,有意差はなかった(t検定,p=0.3418)。38名中27名(平均70.7±10.0歳)は,術後に梶田眼科にて眼鏡処方を行っていた。27名中26名は,累進屈折力レンズを処方しており,加入+1.75Dが17名,加入+2.50Dが9名で,手術から眼鏡処方までの平均日数は45日間であった。処方後に加入度数の変更を行ったのは26名中3名で,3名とも加入+1.75Dから加入+2.50Dに変更になった。当院で眼鏡処方を行っていない残りの11名の術後の矯正手段は,手術をした病院で作製した眼鏡を使用,術前に作製した眼鏡を使用,などがあった。
結論:術後,1か月以内に眼鏡処方に至った症例が半数であった。術前に累進屈折力レンズを使用している場合は,術後の最初の眼鏡処方において,高い加入度数でも問題なく使用できる可能性がある。累進屈折力レンズに慣れてくることにより,使用できる加入度数が変化していった。眼鏡作製の際は,度数を再調整するなどの選択肢が選べる,レンズの保証期間がある眼鏡店で作製するのが望ましい。
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