文献詳細
文献概要
臨床報告
ぶどう膜炎にてステロイド治療中にニューモシスチス肺炎を併発した死亡例1例を含む3症例
著者: 工藤孝志1 江目孝幸1 田名部玲子1 工藤朝香1 目時友美1 安達功武1 鈴木幸彦1 中澤満1
所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科眼科学講座
ページ範囲:P.775 - P.780
文献購入ページに移動症例:[症例1]59歳,女性。既往に特記事項なし。難治性強膜炎およびぶどう膜炎に対し,ステロイド大量漸減療法施行中,同肺炎を発症した。スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST)合剤による治療を施行し軽快した。[症例2]76歳,男性。ステロイド糖尿病の既往あり。難治性原田病に対し,シクロスポリンを併用したステロイド加療中,同肺炎を発症した。ST合剤併用にて治療したが呼吸状態が悪化し,集中治療部にて吸気時陽圧補助換気による呼吸管理を要した。[症例3]78歳,男性。ホジキンリンパ腫の既往あり。経過中に難治性強膜炎およびぶどう膜炎を発症し,ステロイドパルス療法を施行中に同肺炎を発症した。ST合剤による加療開始となるが呼吸状態が悪化し死亡した。
結論:ぶどう膜炎などの眼疾患にて高用量ステロイド治療時や免疫抑制薬併用時は,常に同肺炎への警戒と予防が必要であり,特に全身疾患をもつ症例は重症化する可能性が高く,注意が必要であることが認識された。
参考文献
掲載誌情報