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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻6号

2018年06月発行

文献概要

Book Review

あなたの患者さん,認知症かもしれません—急性期・一般病院におけるアセスメントからBPSD・せん妄の予防,意思決定・退院支援まで

著者: 桑田美代子12

所属機関: 1青梅慶友病院 2よみうりランド慶友病院看護介護開発室

ページ範囲:P.842 - P.842

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 「桑田さんから紹介された小川先生の本,面白くてもう2回も読んだわ。認知症のことわかっていると思っていたけど,改めて勉強になった! すごく読みやすいのよ」と,当法人の看護部長が意気揚々と語ってくれた。面白かったという点は以下の通りである。認知症に関する知識の整理につながった。随所に「ポイント」として,重要な点が簡潔にまとめてあるのも理解の助けになった。そして,皆が疑問に思うことに答えるような書き方になっている。急性期・一般病院で日常起こっている現象だから,「ある,ある」と自然に頭に入る。小川先生の講義を聞いている印象さえすると語っていた。

 認知症患者は,“大変な患者”の一言で語られてしまう現状もある。スタッフは忙しいのに対応しきれない。そして,ケアする側が大変と受け取れば,それは“不穏”“問題”と表現され,その理由に目が向けられない。ケアする側が不安や混乱を増強させていることに気付いていない。だから,根本の原因解決となる対応にはつながらない。本書は,その根本原因の解決につながる知識,現象の見方が書かれている。認知症をもつ人の生活のしづらさ,苦痛や不安に焦点をあて,認知症の知識に基づき,その原因がひもとかれている。だから,「なるほど,そうなんだ!」と合点がいくのである。みかたが変わると,現象の受け止め方も変わり,ケアする側の気持ちにも余裕が出てくる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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