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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
旭川医科大学病院眼科における結膜・眼瞼・眼窩腫瘍の検討
著者: 花田一臣12 廣川博之2 石居信人2 三代川斉之3 武井英博3 吉田晃敏2
所属機関: 1旭川医科大学医工連携総研講座 2旭川医科大学眼科学教室 3旭川医科大学病院病理部
ページ範囲:P.867 - P.874
文献購入ページに移動対象と方法:2005年5月〜2017年4月の12年間に旭川医科大学病院眼科で切除または生検を施行して病理組織診断を得た結膜・眼瞼・眼窩の腫瘍91名99眼について,性別,良性・悪性の比率,発生時年齢,病理組織学的診断を後ろ向きに検討した。
結果:発生部位別の内訳は結膜71眼,眼瞼9眼,眼窩19眼であった。性別ごとの症例数は男性49名54眼,女性42名45眼であった。良性・悪性別の症例数は良性腫瘍63眼,悪性腫瘍36眼で良性腫瘍のほうが多かった。発生時年齢の平均は,59.2±20.2歳(8〜96歳),良性腫瘍では53.8±20.0歳,悪性腫瘍では69.1±15.1歳であった。病理組織学的診断は良性腫瘍では母斑,乳頭腫が多く,悪性ではMALTリンパ腫と眼表面扁平上皮新生物が多かった。
結論:今回の検討では発生部位では結膜が多かった。性差,良性・悪性の比率,発生時年齢について既報とおおむね同様の結果であった。眼部腫瘍の発生部位と種別は多岐にわたるので,適切な治療のためには病理組織学的診断が重要であると考えた。
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