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特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
45歳以上の近視矯正に施行した有水晶体眼内レンズ(ICL)挿入術
著者: 田川考作1 浅井宏志2
所属機関: 1小矢部たがわ眼科 2あさい眼科クリニック
ページ範囲:P.899 - P.904
文献購入ページに移動対象と方法:ICL挿入術を施行した近視または近視性乱視症例86例153眼のうち,45歳以上の10例17眼を検討した。平均年齢52.1歳,術前等価球面度数の平均は−10.29D,遠方裸眼視力の平均は0.03であった。17眼のうちnon-hole ICLは1眼,hole ICLは16眼であった。
結果:遠方裸眼視力の平均は術後1か月0.88,3か月1.08,6か月1.33,1年1.07であった。中間(50cm)裸眼視力の平均は0.83,近方(30cm)は0.44であった。等価球面度数の平均は術後1か月−0.71D,6か月−0.13D,1年−0.31Dであった。コントラスト感度は正常範囲内であった。白内障の悪化や再手術を要する眼圧上昇はなかった。アンケートによる満足度(5点満点)は遠方3.9点,中間4.1点,近方2.9点で近方が低く,眼鏡を使わないは62%であった。
結論:45歳以上への近視矯正ICL挿入術は,良好な遠方裸眼視力が得られ,安全で有効な術式と思われたが,さらに長期の経過観察が必要である。また近方視の満足度がやや低かった。
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