文献詳細
文献概要
特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[5]
黄斑血腫から硝子体出血,網膜剝離をきたした網膜海綿状血管腫の1例
著者: 服部雄基1 中道悠太1 中内正志1 永井由巳1 髙橋寛二1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.957 - P.963
文献購入ページに移動症例:53歳,女性。左眼の視力低下を主訴に前医を受診し,加齢黄斑変性による黄斑血腫が疑われ当院を紹介された。初診時矯正視力は右(1.5),左(0.1)。左眼眼底には軽度硝子体出血と黄斑部の網膜前および網膜下出血を認めた。約2か月間経過観察していたが,硝子体出血の増悪を認め,硝子体手術を施行した。眼底は鼻上側周辺部に小さな網膜裂孔を伴う網膜全剝離の状態で,網膜下に多量の出血を認めた。術後,出血吸収によって,黄斑部上方に網膜のぶどうの房状赤色腫瘤が確認され,諸検査から網膜海綿状血管腫の診断に至った。
結論:黄斑血腫,硝子体出血,出血性網膜剝離の稀な原因の1つとして,網膜海綿状血管腫がありうる。
参考文献
掲載誌情報