文献詳細
文献概要
特集 第71回日本臨床眼科学会講演集[5]
水晶体欠損症に対し水晶体再建術を行った1例
著者: 迫野卓士1 佐藤美紗子1 井口聡一郎1 中西瑠美子1 宇井牧子1 勅使川原剛2 加藤徹朗1
所属機関: 1横浜労災病院眼科 2横須賀中央眼科
ページ範囲:P.983 - P.987
文献購入ページに移動症例:55歳の男性が,数年前からの視力障害を自覚して紹介受診した。
所見と経過:初診時の裸眼視力は,右0.04,左0.1で,矯正視力は右0.7,左1.2であった。両眼に核白内障と,水晶体の下方に水晶体欠損とチン小帯欠損があった。両眼に水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入を行い,1.2の矯正視力を得た。術中に水晶体囊拡張リングは用いなかった。術後6か月の現在まで,経過に問題はない。
結論:水晶体欠損がある部位以外にはチン小帯の脆弱がなく,欠損の範囲が軽度な症例に対する白内障手術として,通常の水晶体再建術が安全で有効であった。
参考文献
掲載誌情報