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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科72巻8号

2018年08月発行

文献概要

今月の表紙

サイトメガロウイルス網膜炎

著者: 後藤肇1 若月優1 川村昭之1 坂本泰二2

所属機関: 1日本大学病院眼科 2鹿児島大学

ページ範囲:P.1054 - P.1054

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 症例は16歳,男児。急性骨髄性白血病で骨髄移植を行い,生着6日後に右眼霧視を自覚し当科受診。初診時は病室管理のためベッドサイドで眼底検査を行った。右眼眼底には後極部下方に約1乳頭径の出血と白色病巣を認めた。サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎を疑い,ガンシクロビル点滴を開始したが,網膜出血,白色滲出斑は急速に拡大した。初診5日後には外来検査が可能となった。視力は右眼(1.0),前房,前部硝子体中に炎症細胞を僅かに認めた。右眼眼底には下耳側血管アーケードに沿った網膜出血と白色滲出斑を認めた。また病巣部と健常網膜の辺縁に白色の点状病巣がみられた。以上よりCMV網膜炎と診断し,眼局所療法ガンシクロビル硝子体内注射を行った。抗ウイルス薬の全身投与と硝子体注射により眼底の白色病巣は消失したが,網膜は菲薄化した。

 撮影には,Topcon社製眼底カメラTRC50DXを使用し,撮影画角は50°に設定した。骨髄移植後で体調が優れなかったため迅速に検査をすることを意識した。また散瞳不良で縮瞳しやすかったため観察光量を落として撮影した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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